矢野製作所がある一帯には,かって巨椋池という巨大な湖が広がっていました。巨椋池は太古に京都盆地を覆っていたとされる旧山城湖の名残で,その大きさは九州最大の湖池田湖にも匹敵するものでした。
その上を雁が渡る様子は万葉集に読まれ,春には蓮花の間に舟を浮かべる「蓮見」が,秋には中秋の名月を愛でる「観月」が盛んに行なわれました。近くには向島・槙島などの湖にあった島の名前,蓮池や堀池や観月橋などの地名,また小倉(おぐら)などが残ります。
しかし昭和初期に埋立てが進み耕地に変わり,その面影は今はありません。なお巨椋池の名は,この地を支配していた巨椋氏に由来するとされます。
Copyright © YANO FACTORY CO. LTD All right.Reserved |